2026年の始まり | 稲毛の浜と、姿を現したケヤキの家

新年あけましておめでとうございます。
カワムラアーキテクツの川村です。

写真は、私のアトリエのすぐ近くにある稲毛の浜です。
お正月に娘達と一緒に海へ散歩に出かけました。
砂浜にしゃがみ込んで、彼女達が楽しそうに記した「2026」の文字。
波音だけの静かな時間の中でその背中を見ていると、新しい年が穏やかで希望に満ちたものになるような、そんな予感がしました。
私たちがつくる「建築」もまた、こうして次の世代へと記憶を繋いでいく背景となるものです。
本年も、この美浜の地で、ご家族の暮らしを支える丁寧な建築づくりに励んでまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、現在進行中のプロジェクト「ケヤキと共に暮らす家」は年末に足場が外れました。


これまでシートに覆われていた建物が、冬の空の下でその全貌を現しました。
海が自然の雄大さを教えてくれるように、敷地に立つケヤキの古木もまた、この土地の記憶と生命力を象徴しています。そのケヤキに寄り添うように計画した住まいが、実際の風景として立ち上がった姿には感慨深いものがあります。

現在は、2月末のお引き渡しに向けてラストスパートに入っています。お施主様と職人さんたちと共に細部までこだわり、仕上げていきます。
完成時には、お施主様のご厚意によりオープンハウス(完成見学会)を開催する予定です。
「海辺の散歩」のように、心地よい時間を感じていただける空間になっているかと思います。
日程などの詳細は、また追ってご案内いたします。
2026年もどうぞよろしくお願いいたします。

カワムラアーキテクツ
川村浩二

前職で手掛けた住宅を訪ねて━庭のある時間

先日、関西方面での現地調査の後に、十数年前に前職で担当した住宅を訪ねる機会がありました。(彦根建築設計事務所/TJM)
ガレージの門をくぐると、中庭の緑の先に建物が見え隠れする構成です。
竣工時から施主様の手入れが行き届いていて、時間とともに育まれた「庭のある暮らし」の豊かさが静かに息づいていました。

今年初めに読んだ宇野常寛さんの『庭の話』にもあるように、庭とは人の意志と自然の営みが交差する場所です。
この住まいもまた、設計の意図と住まい手の手入れ、そして時間の流れが重なり合いながら、美しく成熟していました。

建築はつくった瞬間に完成するものではなく、暮らしとともに完成へと向かうもの。庭を通して、その「時間のデザイン」を感じた訪問でした。

緑の土手の先に母屋が見え隠れします


書籍では「庭」はあくまでも情報社会論を語る上での比喩表現として使われていますが、実態の「庭」についても様々な言葉で語られていて思考の整理になりました

日比谷ガーデンコンテストを観てきました

先日、日比谷公園で開催されていた「日比谷ガーデンコンテスト」を見てきました。
今回の目的は、いつも外構提案でご一緒している季織苑さんが、国土交通大臣賞を受賞された作品を拝見すること。

季織苑さんは千葉を拠点とする造園会社で、カワムラアーキテクツの住宅でも【美浜のコートハウス】【一宮のセカンドハウス】などで外構の設計・施工をお願いしています。
自然の景観をそのまま生活空間に取り入れるような、ナチュラルで調和のとれた提案が持ち味。建物の個性を引き立てながら、住まい全体を生き生きとした印象にしてくれる、信頼できるパートナーです。

受賞作は、積層的な立体構成の中に多様な植栽を織り込み、見る角度によってまったく違う表情を見せる作品でした。
他の多くの作品が正面からの見え方に重点を置く中で、この作品は回り込んでも楽しめる立体的な構成になっており、歩くことで新しい景色が現れるような奥行きを感じました。
高木・低木・下草のバランスが絶妙で、人工的な造形を感じさせない自然な流れが印象的。光や風、時間の移ろいとともに変化していく庭でした。


建築と同じように、造園もまた「時間」とともに完成していくもの。
こうした作品を見るたびに、建築と庭の関係性、そして“見る”だけでなく“歩いて体験する”空間づくりの大切さを改めて感じます。

住宅の資金計画は「設計の前」が肝心。建替え・相続・二世帯住宅でのコンサルティング活用事例

良いデザインは、健全な資金計画の上に成り立ちます。
設計の自由度を高めるためには、むしろ「お金の話」を早くテーブルにのせることが大切です。
現在進行中の〈ケヤキと共に暮らす家〉では、アラウンドアーキテクチャーのコンサルティングを受けながら、土地の名義整理や二世帯の資金分担、ライフプランまでを丁寧に整理しました。
今回はその実例を通して、設計初期における資金コンサルティングの有効性についてお伝えします。

住宅の資金計画、専門家に相談するという選択

家づくりを考えはじめると、まず気になるのが「資金計画」。建物本体の工事費だけでなく、土地の取得費用や登記・税金、外構、引越し費用など、想像以上に多くの項目があります。さらに、親から土地を相続した場合や、兄弟での共有名義、既存ローンの組み換えなど、ご家族ごとに条件がまったく違うのも現実です。こうした複雑な資金計画を一緒に整理してくれるのが、住宅ローンや不動産に詳しい外部コンサルタント。金融機関や不動産会社とは異なる中立的な立場で、最適なローンの組み方や相続に関する注意点を提案してくれます。

「ケヤキと共に暮らす家」での実例:計画初期からのコンサル活用

現在進行中の「ケヤキと共に暮らす家」は、既存住宅の建替え計画です。
既にご家族の土地がありながらも、名義や相続の整理、親世帯との住み分け、そして二世帯住宅としての資金分担など、検討すべきテーマが多くありました。

そこで今回は、株式会社アラウンドアーキテクチャーにコンサルティングを依頼。土地の名義整理、二世帯住宅の資金構成、ライフプランに基づく返済シミュレーションなどを、設計が始まる前の段階から丁寧に整理していただきました。

コンサル導入による具体的な効果
•無理のない予算の全体像を早期に把握できた
•相続・登記・税務のリスクを事前に解消できた
•設計の自由度を保ちながら、現実的な計画を立てられた

こうして、資金面の不安を解消しながら設計に集中できる環境が整いました。「設計の前に整理すること」が、結果的に設計の質を高めてくれたと感じています。

資金計画表の例

コンサルタントに依頼する主なメリット

1.中立的なアドバイス

銀行やハウスメーカーのローン相談は、どうしても自社商品が中心になりがち。独立系のコンサルタントなら、複数の金融機関を比較しながら金利や返済プランをフラットに検討できます。

2.相続・税務まで視野に入れた計画

親名義の土地を活用する場合、贈与税や相続税の扱い、登記の方法など専門知識が必要です。税理士や司法書士と連携したコンサルタントなら、後から発生しがちな税負担を事前に回避するプランを立てられます。

3.ライフプランと連動した返済計画

子どもの進学、将来のリフォーム、老後資金…。20年30年先を見据えて無理のない返済額をシミュレーションしてくれるのも大きな安心です。

設計事務所としてのスタンス

私たちは設計の専門家として、デザインや性能だけでなく、資金面も安心して進められる家づくりを大切にしています。そのため初回のご相談時から外部のローンコンサルタントと連携し、資金計画をサポートする体制を整えています。特に相続や建替え、二世帯住宅のように複合的な条件を持つプロジェクトでは、早い段階から専門家が関与することで、設計の自由度と将来の安心を両立できます。

まとめ

住宅は一生に一度の大きな買い物。“建てたい家”と“返せるお金”を両立させるためには、専門家の知恵を早めに取り入れることが何よりの安心につながります。設計・資金・税務、それぞれのプロがチームとなって動くことで、家づくりはより確かなものになります。

言葉を編むように、家を編む

この夏、NHKで放送されたドラマ『舟を編む』を観ました。辞書をつくる人たちの、あの静かな情熱に胸を打たれました。

一つひとつの言葉の意味を確かめ、何度も議論を重ね、何年もの時間をかけて一冊を編み上げていく。誰かの暮らしの中で、いつかふと開かれるその瞬間のために。

その姿を見ながら、建築設計の仕事と重なって見えました。家づくりもまた、図面の線一本から始まり、素材を選び、寸法を調整し、職人さんと話し合いながら、少しずつ形になっていく“編む”ような仕事です。

完成したときには見えなくなってしまう部分に、実はいちばん多くの時間と手間がかかっています。でも、そうした見えない積み重ねこそが、人の暮らしを長く、やさしく支えてくれるものになる。

『舟を編む』の中で描かれていた、静かだけれど、確かな熱を持った人たちの姿を思い出しながら、私たちも今日もまた、ひとつの家を丁寧に編んでいきたいと思います。

いま手がけている「ケヤキと暮らす家」も、そんな思いを込めながら進んでいます。

休憩中の屋根屋さんをパチリ

ケヤキと共に暮らす家_基礎の配筋検査

先日、基礎の配筋検査に立ち会いました。
基礎の中に組まれる鉄筋は、家をしっかりと支える“骨”のような存在。この鉄筋を組む作業はすべて職人さんの手作業で行われています。しかも、住宅ごとにプランや構造が違うため、同じ図面はひとつとしてありません。毎回図面を読み取りながら、寸法を確認し、一本一本ていねいに組み上げていく、とても手間のかかる仕事です。

毎回配筋検査は、私たちに加えて構造設計者に入念なチェックをお願いしています。構造設計者が図面通りに正しく施工されているかを確認してくれることで、住まいの安心感が一段と高まります。

コンクリートを流し込んでしまえば、鉄筋はもう二度と見えなくなります。だからこそ、このタイミングでの検査はとても大切。職人さんの丁寧な手仕事と設計者・構造設計者のチェックが重なって、ようやく「ずっと安心して暮らせる家」へとつながっていきます。

これからも現場の様子を少しずつお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに。

蓼科の森のキャビンで過ごした夏

この夏は、家族で蓼科のSANU 2nd Homeに試泊してきました。
森の中に点在するキャビンはシンプルな佇まいなのに、アメニティがとても充実していて驚きました。調理器具や食器類はもちろん、コーヒーミルまで揃っていて、普段の暮らしをそのまま森の中に持ち込めるような安心感がありました。

滞在中は地元のスーパーで食材を買い出し、料理を楽しみました。子供たちが野菜を切ったり、盛りつけてくれたりと、普段の食事がちょっとしたイベントのように感じられます。

そして、私が個人的に気に入ったのは大きな窓とその前のデスクカウンター。
ノートPCを広げて作業していると、目の前の風景がスクリーンのように広がり、森の緑が自然と集中力を高めてくれます。

「家族と過ごす時間」と「自分の時間」の両立。
「働きながら休む」という新しい滞在のかたち。
そんな場所づくりのヒントを、このキャビンから感じました。

一宮のセカンドハウス_動画撮影

先日は一宮のセカンドハウスの動画撮影の立会いでした。
早朝から夕景まで、様々なカットが撮影されました。
今回ドローンを使った空撮も!
どのように編集されるのか仕上がりがとても楽しみです。
近日YoutubeにUPされる予定。


また撮影のタイミングで新規のお客様のご案内もすることができました。
お施主様のご厚意、毎度感謝しております。

★追伸
動画UPされました。ぜひご覧ください↓

2025 仕事始め

新年明けましておめでとうございます。

昨年は住宅以外のお仕事(児童発達支援・放課後等デイサービス施設の内装と立上げのサポート)を手掛けたことで、改めて建築士としての役割を認識することができました。

2025年のスタートは昨年より進んでいる市川市の住宅の実施設計です。
また住戸リノベ工事やモデルハウスの提案等も進んでおります。
今年も色々なご縁に感謝しながら、お施主様と共に完成度の高い建築を目指していきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社カワムラアーキテクツ

川村 浩二