雪見障子が切り取る、静寂という風景


先日は千葉・美浜では珍しく、雪が積もりました。
皆様の地域ではいかがでしたでしょうか。
ここ「美浜のコートハウス(アトリエ)」も、今日はいつもとは全く違う表情を見せています。
写真は、和室の雪見障子からの景色です。
普段は穏やかな光を透かすだけの障子ですが、下半分にあるガラス部分の孫障子(まごしょうじ)を摺り上げることで、そこには劇的な変化が生まれます。
雪の白さと、障子の桟(さん)が描く幾何学的なライン。
そして、その奥に広がる有機的な木々の姿。
建築において開口部は単に光や風を取り込むだけでなく、風景をどう「切り取る」かという装置でもあります。
全面ガラス張りで外と一体化する開放感も素晴らしいですが、こうして建具によって視線を制御し、見たい景色だけを選び取る行為には、日本建築特有の奥ゆかしさと、ある種の「作為的な美」を感じずにはいられません。
しんしんと降る雪の音さえ聞こえてきそうな、静寂の時間。
温かいお茶を飲みながら、畳の上で低く座り、切り取られた白い世界を眺める。
忙しない日常の中で、ふと立ち止まり、こうした静謐な時間に身を置くことも、豊かな暮らしには不可欠な要素だと改めて感じさせられます。

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