日比谷ガーデンコンテストを観てきました

先日、日比谷公園で開催されていた「日比谷ガーデンコンテスト」を見てきました。
今回の目的は、いつも外構提案でご一緒している季織苑さんが、国土交通大臣賞を受賞された作品を拝見すること。

季織苑さんは千葉を拠点とする造園会社で、カワムラアーキテクツの住宅でも【美浜のコートハウス】【一宮のセカンドハウス】などで外構の設計・施工をお願いしています。
自然の景観をそのまま生活空間に取り入れるような、ナチュラルで調和のとれた提案が持ち味。建物の個性を引き立てながら、住まい全体を生き生きとした印象にしてくれる、信頼できるパートナーです。

受賞作は、積層的な立体構成の中に多様な植栽を織り込み、見る角度によってまったく違う表情を見せる作品でした。
他の多くの作品が正面からの見え方に重点を置く中で、この作品は回り込んでも楽しめる立体的な構成になっており、歩くことで新しい景色が現れるような奥行きを感じました。
高木・低木・下草のバランスが絶妙で、人工的な造形を感じさせない自然な流れが印象的。光や風、時間の移ろいとともに変化していく庭でした。


建築と同じように、造園もまた「時間」とともに完成していくもの。
こうした作品を見るたびに、建築と庭の関係性、そして“見る”だけでなく“歩いて体験する”空間づくりの大切さを改めて感じます。

住宅の資金計画は「設計の前」が肝心。建替え・相続・二世帯住宅でのコンサルティング活用事例

良いデザインは、健全な資金計画の上に成り立ちます。

設計の自由度を高めるためには、むしろ「お金の話」を早くテーブルにのせることが大切です。

実家の建替えと二世帯住宅として計画された〈ケヤキと共に暮らす家〉では、アラウンドアーキテクチャーのコンサルティングを受けながら、土地の名義整理や二世帯の資金分担、ライフプランまでを丁寧に整理しました。

今回はその実例を通して、設計初期における資金コンサルティングの有効性についてお伝えします。

住宅の資金計画、専門家に相談するという選択

家づくりを考えはじめると、まず気になるのが「資金計画」。建物本体の工事費だけでなく、土地の取得費用や登記・税金、外構、引越し費用など、想像以上に多くの項目があります。

さらに、親から土地を相続する場合や、兄弟での共有名義、既存ローンの組み換えなど、ご家族ごとに条件がまったく異なるのも現実です。また、親子間や夫婦間だからこそ「お金や将来の負担の話を切り出しにくい」という心理的な難しさもあります。

こうした複雑な資金計画を一緒に整理してくれるのが、住宅ローンや不動産に詳しい外部コンサルタント。金融機関や不動産会社とは異なる中立的な立場で、最適なローンの組み方や相続に関する注意点を提案してくれます。

「ケヤキと共に暮らす家」での実例:計画初期からのコンサル活用

「ケヤキと共に暮らす家」は、既存住宅の建替え計画でした。
ご家族が代々住み継いできた敷地でありながらも、土地の名義や相続の整理、親世帯・子世帯の住み分け、そして二世帯住宅としての資金分担など、検討すべきテーマが多くありました。

そこで今回は、株式会社アラウンドアーキテクチャーにコンサルティングを依頼。土地の名義整理、二世帯住宅の資金構成、ライフプランに基づく返済シミュレーションなどを、プランの図面を本格的に引き始める前の段階から一つひとつ紐解いていただきました。

コンサル導入による具体的な効果
•無理のない予算の全体像を早期に把握できた
•感情論にならず、家族全員が納得できる資金分担の合意ができた
•相続・登記・税務のリスクを事前に解消できた
•予算の不安が消えたことで、素材や空間の質に集中して設計を進められた

「設計の前に全体の上限と安心感を固めること」が、結果的に設計の自由度と質を何倍にも高めてくれたと実感しています。

資金計画表の例

コンサルタントに依頼する主なメリット

1.中立的なアドバイス

銀行やハウスメーカーのローン相談は、どうしても自社商品が中心になりがち。独立系のコンサルタントなら、複数の金融機関を比較しながら金利や返済プランをフラットに検討できます。

2.相続・税務まで視野に入れた計画

親名義の土地を活用する場合、贈与税や相続税の扱い、登記の方法など専門知識が必要です。税理士や司法書士と連携したコンサルタントなら、後から発生しがちな税負担を事前に回避するプランを立てられます。

3.30年先を見据えたライフプラン

子どもの進学、車の買い替え、将来の修繕費や老後資金など、人生全体の収支を見据えて「無理のない返済額」をシミュレーションできる大きな安心があります。

設計事務所としてのスタンス

私たちは設計の専門家として、デザインや性能だけでなく、資金面も安心して進められる家づくりを大切にしています。

建築家が一人で抱え込むのではなく、資金や税務の専門家とワンチームで動くこと。

特に相続や建替え、二世帯住宅のように複合的な条件を持つプロジェクトでは、早い段階から中立なプロが関与することで、施主の人生設計を守りながら、本物の素材や手仕事にしっかり予算を配分できる誠実な家づくりが可能になります。

まとめ

住宅は一生に一度の大きな選択。“建てたい家”と“返せるお金”を無理なく両立させるためには、専門家の知恵を早めに取り入れることが何よりの近道です。

土地やご実家の扱いで迷われている方は、プランを考える前の「最初の整理」からお気軽にご相談ください。

家づくりの進め方・ご相談について

土地やご実家の相続整理、将来を見据えた資金計画など、プランを具体化する前の「最初の交通整理」から丁寧に伴走いたします。

言葉を編むように、家を編む

この夏、NHKで放送されたドラマ『舟を編む』を観ました。辞書をつくる人たちの、あの静かな情熱に胸を打たれました。

一つひとつの言葉の意味を確かめ、何度も議論を重ね、何年もの時間をかけて一冊を編み上げていく。誰かの暮らしの中で、いつかふと開かれるその瞬間のために。

その姿を見ながら、建築設計の仕事と重なって見えました。家づくりもまた、図面の線一本から始まり、素材を選び、寸法を調整し、職人さんと話し合いながら、少しずつ形になっていく“編む”ような仕事です。

完成したときには見えなくなってしまう部分に、実はいちばん多くの時間と手間がかかっています。でも、そうした見えない積み重ねこそが、人の暮らしを長く、やさしく支えてくれるものになる。

『舟を編む』の中で描かれていた、静かだけれど、確かな熱を持った人たちの姿を思い出しながら、私たちも今日もまた、ひとつの家を丁寧に編んでいきたいと思います。

いま手がけている「ケヤキと暮らす家」も、そんな思いを込めながら進んでいます。

休憩中の屋根屋さんをパチリ