PROFILE
時間を重ねる器、風景になる家
アトリエの壁に、一枚の古い油絵が掛かっています。
それは生前、日曜画家として休日に絵筆を握っていた亡き父が残した、ポール・セザンヌ(Paul Cézanne)の『The Harvest(1877)』の模写です。
仕事の合間の時間を使い、ただ純粋にキャンバスに向かうことを楽しんでいた父。中央奥には小高い丘があり、その頂上には道院のような立派な建物がそびえ、農夫たちが労働の合間に休息をとっている。何層にも塗り重ねられた絵の具の深い凹凸に、部屋の柔らかな光が落ちるのを見ていると、効率やスピードとは無縁の、不器用で、愛おしく、豊かな時間がそこには流れています。
この絵が教えてくれるのは、効率ばかりが優先された均質化された空間からは、このような静かで豊かな時間は決して生まれないということです。
私が設計において大切にしているのは、引き渡した瞬間がピークではなく、年月を経て住み手の手で完成されていく「器」としての建築です。流行や過剰な装飾を引き算した後に残る、逃れようのない空間の質。本物の素材と確かな骨格を持ち、年月をかけてその人らしい色を重ね、ご家族のかけがえのない記憶を美しく受け止める背景となる空間。
時間と共に色褪せるのではなく、住むほどに深みを増し、いつしかその場所の風景になっていく。そんな、何十年という人生を支える普遍的な家づくりを追求しています。
ご挨拶
KAWAMURA ARCHITECTSのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
家づくりとは、ご家族のこれからの途方もない時間を包み込む「器」を共につくり上げる、非常に特別で、責任ある営みです。
私がその過程において常に意識しているのは、「冷静と情熱のあいだ」のバランスです。
お施主様が抱く理想の暮らしや美しさへの「情熱」に深く共鳴し、共に夢を描くこと。そして同時に、プロフェッショナルとして、光や風の抜け方、コスト配分、構造の安全性に対する「冷静」な眼差しを決して忘れないこと。この二つの視点が美しく調和した場所にこそ、シンプルで、心地よく、普遍的な美しさを持つ建築が生まれると信じています。
現在、千葉市美浜区磯辺にある自宅兼アトリエ「美浜のコートハウス」を拠点に設計活動を行っています。
稲毛の浜にも程近いこの場所は、コの字型に配された空間が中庭を囲み、四季折々の緑と共存する「外部と住空間が一体となった暮らし」を私自身が日々実践する場です。そして同時に、ホタテ貝殻を原料とした自然塗料や、土の質感を活かした左官壁といった素材が、緩やかな曲線を描く天井からの柔らかな光をどのように受け止め、時間と共に味わいを深めていくのかを観察し、実証する「生きた実験の場」でもあります。
「新しい家で、どんな時間を過ごしたいか」。
まずは、その漠然とした想いからお聞かせください。じっくりと対話を重ねながら、皆さまの人生を支える、確かな風景を、共に見つけていければ嬉しく思います。
代表取締役 / 一級建築士
川村 浩二 Koji Kawamura
略歴
1975 千葉県生まれ
1999 東京理科大学工学部建築学科卒業
1999- 中村弘道・都市建築計画設計事務所
2004- INA新建築研究所
2008- 彦根建築設計事務所
(※在籍時、設計を担当した住宅2件がエクスナレッジ刊『最高の家』に掲載)
2014- 株式会社カワムラアーキテクツ設立
受賞歴
SDレビュー2001 (中村弘道・都市建築計画設計研究所 在籍時)
グッドデザイン賞2011、INAXデザインコンテスト銀賞 (彦根建築設計事務所 在籍時)
アイカ施工例コンテスト2015特別賞
「第37回住まいのリフォームコンクール」(2020)優秀賞
会社概要
名称 株式会社カワムラアーキテクツ一級建築士事務所
登録 千葉県知事登録 第1-1601-8106号
所在地 千葉県千葉市美浜区磯辺3-3-7
パートナー
山下 健太郎 ((フモトピクチャーズ代表)
CGは模型と同じく建築家の想いを形にできる重要なツールであると考えています。図面や模型だけでは伝えきれないディテールをパースで補うことでデザインの完成度を向上させるとともに、設計者の想いをクライアントや現場へスムーズにお伝えするツールとしてお使いいただければ幸いです。
略歴
1974 鹿児島県生まれ
彦根建築設計事務所などを経て
2017- フモトピクチャーズ設立
2018- カワムラアーキテクツ パートナー