働く場所としての住まい

新型コロナウィルスの影響により、これまで当たり前だったライフスタイルの変更を余儀なくされています。

特に働く場所や働き方はこれを機に急速に変化していきそうです。

IT技術によるテレワークや在宅勤務が増える中で、住空間はどのようにあるとよいのでしょうか。

折角の機会なので、以前構想した「働く場所としての住まい」をテーマにした住戸の計画案を紹介します。

 

■共働きの夫婦と子供の家族3人の住まい

・住空間は“広がり”と“たまり”のあるLDKと“コックピット(操縦室)”の様な個室で構成しています。

・家事をしながら働く場として、家族だけでなく、様々な人を迎い入れるオープンな場としてのキッチン

・食事をするだけでなく、家族の作業場として機能するダイニングスペース

・個室は“室内マド”を閉じればプライベートな仕事場、開ければLDKに光や風が廻り、自然や家族の気配を感じることができます。

・仕事場を新たに独立した空間として設けるのではなく、仕事場を暮らしの空間に融合させることで、生活がより豊かになると考えました。

 

ところで「ワーク・ライフ・インテグレーション」という言葉をご存知でしょうか。

よく耳にする「ワーク・ライフ・バランス」の発想を進めた言葉です。

「仕事と生活」を完全に分断してしまうのではなく、人生の中で両方共に境界なく繋がっているはずで、それぞれが統合し、混じり合っているという意味でインテグレーション(統合)という言葉が使われています。

働き方が変わると住まいが変わり、住まいが変わると働き方が変わる。

住まいのあり方がより一層変化していきそうです。

それぞれの家族にあった住まいや暮らし。

そんな家づくりをお手伝いしています。

 

I’m homeの取材に同行しました

先日、前職(彦根建築設計事務所)で設計担当した住まいが、住宅雑誌「I’m home」に再掲載されるということで取材に同行しました。

水盤のある平屋の住まいです。

竣工から8年半ほど経過し、久しぶりの訪問でした。

生活空間は壁掛けアートや小物類に彩られて、ご家族の素敵な暮らしぶりが反映されていました。

住まいは愛情をもって育てるものだと改めて実感。

とても貴重な機会を頂いたことに感謝し、今後の設計活動に活かしたいと思います!

進行中プロジェクト

最近ブログの更新が止まっていましたが、、

現在、私たちの事務所では

2件の新築コートハウスの設計、築古ビルのリノベーション等が進行中です。

また、最近竣工した「長屋の増築」については近々UP予定です。

こちらは計画段階の模型写真。

土地との出会い ~ “家のイメージ”をつかむ

マイホームを建てようと思った時に、最初に始める土地探し。

広さ、価格、交通の便、周辺環境など、様々な要素を検討して決定する訳ですが、私たち建築家の視点からも色々とアドバイスすることができます。

例えば検討中の土地に建物のプランを落とし込むことで、そこでの具体的な生活イメージが見えてきます。

私たちは、数値に表れない、土地のもっている可能性を提示できると思っています。

今回のご相談は、正方形に近い、南向きの40坪の土地。

家づくりは、家族構成やライフプラン、価値観などによってカタチづくられますが、今回はたたき台として、2つのプランを作成しました。

図面だけでなく、模型を製作することが多いのですが、これが家のイメージをつかんでもらうための重要なツールとなることが多いです。

オフィス移転しました

ブログの更新ご無沙汰しております。。

さて、このたび色々なご縁に恵まれ、
弊社は3月より新しいオフィスにてスタートを切りました。

【新住所】
〒134-0088 東京都江戸川区西葛西6-16-7-5階
地下鉄東西線の西葛西駅から徒歩1分です。

フィガロジャパン㈱さんの不動産事業の立上げに当たり、事務所の内装デザインに関わったご縁で、シェアオフィスとして使わせて頂くことになりました。

また今回、内装工事を担当されたフォーメーション㈱ みずる工務店さん等も参加され、不動産✕建築周辺の会社が集まりました。

各社は独立しておりますが、場所だけでなく、お互いの専門知識をシェアすることにより多角的なサービスが展開できるかと思っております。

そして私たちは新たなステージで、より一層設計活動に励んでいきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


「生活」に対する愛情深い観察

「宮脇檀 手が考える」 建築家・宮脇檀のドローイング展に行ってきました。

生涯を通じて住宅設計に情熱を注いだ建築家です。

また教育者として、建築を志すものに有名な言葉を残しています。

「眼を養い、手を練れ」

その言葉は以前から私の心に漂っていましたが、今回の展示されていたスケッチやドローイングという、建築家の生々しい手の痕跡から、その意味を深く感じることができました。

 

住宅設計をする際、建築家によってアプローチの仕方は様々です。

その中で宮脇さんは、常に「生活」というものを出発点としていたということを改めて感じます。

「生活」といっても、抽象的でつかみどころがない言葉ですが、例えば住宅のダイニングを考えてみると壁をくぼませて適度に囲ったり、天井を少し低くしたりすることで、落ち着いた「生活」の場所が具体化されてきます。

電車に乗ると座席のすみっこに座りたがる様に、誰もが持っている身体の感覚を、「生活」のシーンにうまく落とし込んでいく、宮脇さん流の設計作法のようなものが垣間見れて、とても楽しい展示でした。

 

「生活」に対して、丁寧に愛情をもって観察すること

これからの設計活動に新たな気づきを与えてくれそうです。

もなかのデザイン

お土産に最中をいただきました。

これが予想を裏切る、とても味わい深い逸品。

調べてみると「空也」という老舗和菓子店の品でした。

 

原材料名:砂糖、小豆、もち米、水飴、塩

 

限られた素材から生み出される、奥行きのある味わい。

シンプルなカタチだからこそ、作り手の思いが伝わってくるような気がしました。

 

そんなことお構いなしに、チビっ子たちは駄菓子感覚でパクパクと平らげ、
甘党の私の楽しみが、あっという間になくなりました。。。

美しい環境をつくる都市住宅

先日のことですが、南青山にある建築家 山田守の自邸見学に行ってきました。

建物は庭を抱え込むような配置で、軽やかで伸びやかなデザイン

庭は盛り土による立体的なつくりで、室内から様々な緑の表情を楽しめる設え

建物と庭が一体となった、とても気持ちのよい住宅でした。

竣工してから約58年!経過していることもあって、

「美しい環境をつくる」という作者の意図が、とても説得力をもって体感できました。

必要なところに、さりげなく

亀有計画は上棟に合せて、お客様と電気関係の最終確認をしました。

その中でスイッチやコンセントは小さなものですが、居住空間の快適性を支える、大切なデザイン要素のひとつです。

見た目がよい空間もスイッチの位置が生活動線と離れていたり、使いたいところにコンセントがないと不快に感じてしまいます。

住む人の生活を想像し、必要なところに、さりげなく。

スイッチやコンセントはその様に計画したいと思っています。

お客様との打ち合せでは、図面と模型を使って生活イメージを共有しながら、ひとつひとつ配置をご確認頂きました。

ささやかなことに「輝き」を見出す

打合せの帰りにTOTOギャラリー・間で開催中の
トラフ建築設計事務所の「インサイド・アウト」展へ。

プロダクト 家具 インテリア 建築
手に触れるものから、空間を体験するものまで

扱うスケールは違えど、様々なプロジェクトで検証された素材や模型たちが、1枚のテーブルの上に整理され、並んでいます。

ありふれたモノや現象に気づきを与えてくれる、楽しい展示でした。

美術や建築展にいくと、作者の意図を深読みしすぎて、いつもグッタリとしてしまいますが、今回の展覧会は音楽の様に、感覚的にスッと入ってくる心地よさがありました。

手触り、光や色が織りなす現象、植物…

日常に溢れる、ささやかなことに「輝き」を見い出すこと

そんな大切な視点を気づかせてくれたからかもしれません。

少し肩の力を抜いて、いくつかの進行中のプロジェクトがんばります。

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